ジモト発見ライター 気になるお店訪問
フローリスト ミスティーブルー
選び抜いた花をていねいにアレンジしてくれる住宅街の隠れ家風フラワーショップ
花を飾るという行為には、人それぞれの意味があるはずです。暮らしの場をきれいに演出したい場合もあれば、お祝いや感謝の気持ちを込めて誰かに贈ることもあるでしょう。そんなとき身近なところで相談にのってくれるお花屋さんがあれば心強いですね。今回の「気になるお店訪問」は所沢市泉町の住宅街にある「フローリスト ミスティーブルー」をご紹介します。
<隠れ家風のミスティーブルー入口>
住宅街にひっそりと居を構える花屋さん
「フローリスト ミスティーブルー」は西武新宿線新所沢駅と航空公園駅の間の「所沢市こどもと福祉の未来館」に隣接した住宅街にある花屋さん。一方通行の細い道に面していて、歩いていても見落としてしまいそうな外観です。隠れ家風レストランというのはよく見かけるようになりましたが、隠れ家風の花屋さんというのは珍しいのではないでしょうか。「ミスティーブルー」の場合、お店のある場所が住宅街ということだけでなく、その営業スタイルも隠れ家にふさわしい不思議な感覚に包まれていました。
まず「ミスティーブルー」の入口には鬱蒼とした緑が演出され、まるで森の入口のよう。気がつかずに通り過ぎてしまう人も多いとか。お店は半地下になっていて、そこに至る階段もミステリアスな雰囲気です。お店の扉のガラス窓にはカーテンが降りていることが多いのですが、スタッフがお店にいるときは鍵が開いているので自由に入って構わないとのこと。スタッフの気配がないときは壁の呼び鈴を押してみてください。二階がオーナー宅なので在宅であればすぐに応対してくれます。
そんな風に「ミスティーブルー」全体が隠れ家のような独特な存在感を醸し出しています。そして周囲を見回しながら店内に足を踏み入れると、そこにはたくさんの花がいろいろな表情を見せていました。ここに選び抜かれた花は一般的な花屋さんとはどこか違った個性を感じさせ、とてもアーティスティックな印象を持ちました。
<店内には季節の花がいっぱい> ※9月中旬撮影
「ミスティーブルー」のオーナーは肥沼絹代さん。現在のお店で独り立ちしたのは1996年のことでした。今も花のアレンジやお店のことはほとんど一人でこなしますが、イベント会場に花を届けるなどで忙しいときは、夫の肥沼祥平さんや知人のスタッフが手伝ってくれるそうです。特に夫の祥平さんはもともと花屋さんだったので頼りになる存在とのこと。
絹代さんは「ミスティーブルー」のテーマについてこう話してくれました。 「お花を飾るにはお客さまの求めるイメージがありますから、そのこだわりをできるだけ実現して差し上げたいと思い、花束やアレンジメントをひとつひとつ丁寧につくるようにしています。飾る場所は自宅、お店、イベント会 場などいろいろありますので、そのシチュエーションに配慮したお花をご提案しています」 |
<オーナーの肥沼絹代さんとアレンジした花束> |
もちろん花は一本から売ってくれるので、日々の生活のアクセントとして楽しむことができ、ご近所には常連さんも多いそうです。また「センスがよい」という理由で遠方から注文してくれるお客さまもいらっしゃるとか。花屋冥利に尽きるのではないでしょうか。
季節の花と一期一会
「ミスティーブルー」は何よりも季節感を大事にしているとのこと。カーネーションなどの一年中楽しめる花はもちろんのこと、その時期だけ出会うことのできる花も取り揃えています。ここでは季節ごとにおすすめの花をピックアップしていただきました。花は春夏秋冬でくっきり分けられるものではありませんが、目安として参考にしてみてください。また、花は気温や気候によって咲くタイミングが変わるので、言わば一期一会のご縁。それもまた自然なことなのかもしれません。
【春】<切り花のパンジーや、ラナンキュラス、スイトピーなどを使ったアレンジメント> | 【夏】<夏のヒマワリ、ダリア、ガーベラなどを飾ったスタンド花> |
【秋】<ケイトウ、ピンクッション、スプレーマム、紅葉の葉物などのアレンジメント> | 【冬】<冬の針葉樹に赤バラ、ラン、スカビオーサなどを使ってのツリー型アレンジとポインセチア> |
お客さまの希望を叶えるのがフローリストの使命
「ミスティーブルー」の店内にはたくさんの花が用意されていますが、これらは最終的にどういうところに届いて飾られるのでしょうか。気になるので聞いてみました。
「個人では誕生日、結婚記念日、プロポーズのお花、お供えのお花など、地域に根ざしたものでは保育園や学校の卒業式、謝恩会などがあります。ピアノやバレエの発表会、個展の花束や飾り付けなどにも利用されますね。店舗や事業所関係ではオープン、周年記念、キャンペーンなどがあります。結婚式では花嫁が持つブーケや会場の飾りなど、お花を必要とされる場面はたくさんあります」と絹代さん。
「いずれの場合も打ち合わせを念入りにします。お花の依頼では最初から“おまかせします”という方は少ないですが、2回目以降はそうおっしゃる方も多いので、その場合には贈る方のことやシチュエーションなどをヒントにいただくことにしています。どなたにも好みとかこだわりがあるので、それを叶えるのがフローリストの使命だと思っています。」
意外なところで花が求められる例もあるそうです。あるお客さまがご家族の納骨式のお花を依頼され、「お墓のまわりを野の花で埋めてほしい」と希望されたとのこと。葬儀や法事では仏花が飾られますが、納骨式でお墓をたくさんの花で飾るのは珍しいことです。その際も「ミスティーブルー」ではお客さまの希望どおり、墓標の周囲を野の花で優しく包むように飾ったそうです。
日常の暮らしを彩る花もあれば、大切な人に贈る花、記念の日を祝う花もあり、あらゆる場所で花のある風景は人の心に残ってゆくはず。ミスティーブルーの花々は、独特のアーティスティックな感性で、その場面を美しく演出してくれるに違いありません。
<店内には不思議なぬくもりが漂う> | <使い込んだテーブルがアレンジを待つ> |
絹代さんから読者のみなさんにいただいたメッセージをご紹介します。
「お花に少しでも興味がありましたら、お立ち寄りください。ミスティーブルーは季節感のある素敵なお花を集めていますので、お話をしながらご紹介したいと思います。私もお花の紹介をしている時がいちばん元気になれます。お花は組み合わせによっていろいろな表情を見せてくれるので、思いがけない組み合わせなどもご紹介できると思います。切り花はすぐに終わってしまうから苦手だという方もいらっしゃいますが、私は終わるから愛おしいと感じています。お客さまやお花とのご縁を大切にしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」
お店のデータ
店名/フローリスト ミスティーブルー
所在地/〒359-1112 埼玉県所沢市泉町1860-1
TEL/04-2921-8246
FAX/04-2925-8950
営業時間/10:00~18:00
定休日/不定休
駐車場/店前またはコインパーキング
e-mail/info@mistyblue.jp
Homepage/http://mistyblue.jp
Facebook/mistyblue
Instagram/florist_mistyblue
取材・記事・写真/イワタハルユキ
季節の花の写真提供/ミスティーブルー
※掲載内容は取材時のものですのでご了承ください
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